会社の解散・清算手続

(1) 臨時株主総会招集通知書の発送及び地方紙への1回以上の掲載(民商法典第1175条)

15日以上(上記通知を総会開催日の14日前までに行う必要があるため。)

(2) 臨時株主総会開催、解散の特別決議(解散日)

​・原則的に、取締役が自動的に清算人になる。(民商法典第1251条)

14日以内

(3) 清算人による会社解散の公告(最低1回)(民商法典第1253条)

(4) 債権者への通知書送付(書留郵便)(民商法典第1253条)

(5) 解散の登記申請並びに登記(民商法典第1254条)(解散登記日)

15日以内(解散登記日から起算)

(6) 歳入局への解散通知、及びVAT登記抹消申請

(歳入法典第72条、85/15条)

・歳入局へ会社解散の通知をすると、歳入局は商務省に対して税務調査が終了するまで清算登記の受理を差し止めるよう要請します。

遅滞無く

(2)~(7)&(8)間

(7) 監査済財務諸表(解散日を期末日とする)の作成(歳入法典1255条)

(8) 株主総会の招集(歳入法典1255条)

​※開催期限は、民商法典上決まっていない(文言は「できるだけ早く」としかない。従い、実務上は、最終段階にちかい清算報告会を併用することが多い。

150日以内

(5)~(9)間

(9) 法人税申告・納税(解散登記日より150日以内)(歳入法典72条、68条)

(10) 監査済財務諸表の準備(解散登記日を期末日とする)(歳入法典69条)

(5)の解散登記日より3ヶ月毎

(11) 商務省3ヶ月報告:清算者は、3ヶ月毎にその活動報告を商務省へ提出する義務があります。(民商法典第1267条)

​・解散登記日から3ヶ月毎

・3ヶ月報告を継続

・税務調査対応

[清算が1年を超える場合]

(12) 法人税申告・納税(以降、前期末日の翌日を期首とし、12ヶ月毎(歳入法典65条)の会計期間に対し、期末日より150日以内に申告・納税)(歳入法典68条)

(13) 監査済財務諸表(法人税申告書に添付する義務があるため)(歳入法典69条)

(14) 株主総会の開催:清算が1年以上続く場合、清算開始から1年後毎に株主総会を開催し、活動報告及び会計報告をする義務を、清算人は、負います。(民商 法典第1268条)。

(15) 税務調査完了、及びバランスシートのクリアー

(16) 清算報告総会への招集通知:招集状の発送、並びに地方紙への通知書1回以上の掲載

8日以上の事前招集通知

(17) 清算報告会の開催:清算報告書の株主総会での承認(民商法典第1270条、第1255条)。

・清算人は、清算がどのようになされたか、また処分された資産についての詳細を、清算が完了してから滞りなく清算報告総会を招集して、報告をする義務があります。(民商法典1270条)

・清算は、原則的に、税務調査が完了しない限り、完了することができません。

14日以内

(18) 清算終了登記申請、並びに登記(民商法典第1270条)

これをもって清算は完了。

​解散・清算に関する留意事項等

  • 資産評価額(法人税):会社の資産は、解散日の市場価格となります。(歳入法典、第74条)つまり、評価替えにより税務上の評価益(土地等の)が生ずる場合があります。

  • 資産評価(VAT):在庫、及び事業用資産の課税標準は、解散日の市場価格をもって決定されます。{歳入法典、第79/3、(5)}

  • 清算人の長期ビザの延長については、タイ国籍者4名の従業員が存在しない場合は、事実上不可能となります。この場合、ビジネスビザを用いてタイに滞在することになりますので、3ヶ月に一回出国する必要が出てきます。但し、税務コンサルタントを代理人として立てればタイに常時滞在する必要もないかもしれません。

 

  • 解散登記清算完了登記まで3か月毎に商務省DBDに活動報告書を提出する義務があります(1267条)。報告書のフォームは当局所定のB4枚程度です。

 

  • 清算が1年以上続く場合毎年1年毎に株主総会を招集して清算報告の承認を得る必要があります(1269条)。

 

  • 解散後に残余財産に当たる銀行預金を送金する場合、清算完了及び残余財産分配決議を内容とする株主総会議事録を銀行に提出して行います。

 

  • 解散後上記株主総会決議前の場合タイ中央銀行に清算途中で現預金を送金する旨の説明書を提出して特別に許可を得て送金手続きを行います。手続きには約1か月ほどかかります。ただし、実務上は税務調査が終了していないことを理由に銀行から送金の受付を拒絶されることが多いようです。

 

  • 解散前の残余財産の送金は配当手続を通じて行いますので原則として10%の源泉徴収税が課されるます(但し、剰余金がない場合の減資手続の場合は源泉徴収税はありません)。これに対して解散後の送金の場合は、剰余金がない場合は源泉徴収税はかかりませんが、剰余金があって国外の株主へ送金する場合は15%の源泉徴収税が課されます(剰余金があっても国内の株主へ送金する場合は源泉徴収義務はありません)。よって、手続面及び源泉徴収税の税率からすれば、なるべく解散前に送金するほうが利便性が高いです。

  • 株主構成の変更:解散・清算手続きを遂行することはもはや事業活動には該当しないと解されています。従って、外資企業の事業活動を規制する外国人事業法は解散会社には適用されないと解されています。そこで、タイ人パートナーとの合弁事業等を行っている会社が解散するような場合、必要であればタイ側株主の株式を日本側株主に譲渡しても差し支えありません。その後の解散・清算手続きをスムーズに遂行しやすい場合が多いといえます。このことは後述する休眠会社の場合も当てはまります。

  • 主たる事務所の処分:解散登記時に会社の主たる事務所を清算人の住所に変更することができます。つまり、解散後の清算会社は登記上の主たる事務所を保持しておく必要はありませんので、解散時にあわせて主たる事務所の処分又は賃貸借契約の解除及び退去を検討することも可能です。なお、この際にVAT登録事項の変更は不要です。

会社の休眠について

 

会社の休眠は、清算の際の税務調査リスクを減らずため、よく行われているようです。これは、清算の際の税務調査の対象期間が、原則として、解散日から通常2年、最長で5年遡及すること(歳入法典19条、第88/6条等)に対応した措置です。もっとも、会社の休眠は単に会社の事業活動を休止するということに過ぎませんから、一般の会社に求められる法的手続(法人税申告、監査、商業登記、株主総会手続等)は、従前通り遵守する必要がありますので、ご注意下さい。

・なお、民商法典上は、1年以上の事業の休止は、裁判所の命令による会社解散事由の1つに挙げられています。(民商法典第1237条)

業務内容

私共の会社解散、及び清算に係る一般的な業務内容は以下の通りとなります。お見積りは別途ご提供致します。

I. スキーム立案(法務、労務、税務に関する相談)

全部・一部事業譲渡、解散・清算登記に伴う、法務、BOI、労務、及び税務に関する相談相談業務。

II. タイ投資奨励委員会 (BOI) 関係

タイ国投資奨励委員会 (Board of Investment = BOI)より投資奨励を取得している場合、事業譲渡、工程変更、解散・清算を行う場合、BOIに各種申請を行う必要があります。私共はこれら報告・申請手続きの代行業務を行います。

III. 契約・商務省関係(解散登記等)

会社の解散・清算に先立って、別会社またはグループ会社へ事業の全部譲渡、又は一部事業譲渡をするケースが多いです。この場合、事業譲渡契約書の作成、株主総会手続、及び、場合により商務省での各種登記手続きが必要となります。私共はこれらに関する書類作成、申請手続きの代行業務を行います。一方、事業譲渡を伴わないストレートな解散・清算の場合、事業譲渡契約の作成を除く、商務省登記関係、株主総関係の招待状、議事録等の作成代行を致します。

IV. 税務関係(各種届出・申請、及び税務調査対応等)

全部・事業譲渡に伴う税務上恩典取得手続き、残存会社の解散後の税務当局への各種届出及び解散登記後に行われる税務調査対応の代行業務を行います。

V. 労務

タイの労働保護法上、原則的に、従業員を解雇する場合、解雇補償金、未消化の有給等を支払う義務があります。また、不当解雇の申し立てを受ける場合があります。また、労働省、及び社会保障局への届け出義務が生じます。私共は、上記に関する包括的な相談業務、書類作成、解雇立ち合いを行います。

VI. 監査

解散登記から1年を超過しても清算登記がなされない場合(税務調査が1年以内に終了しない場合等)、解散登記日を期首として毎年清算中の会社は、公認会計士による監査を受ける必要があります。私共は、当該業務のコーディネーションを致します。

VII. 月次会計・月次税務

会社の解散登記後も、清算中の会社は、清算をする目的で存続します。また、税務調査が終了するまで、税務申告(月次付加価値税VAT申告等)をする義務を負います。私共は、当該清算期間中の記帳代行及び月次税務申告を致します。また、税務調査の窓口業務も承ります。

VIII. 法人税申告

上述の通り、清算中の会社も、通常の会社と同様に法人税申告義務を負います。私共は、法人税申告書の作成代行業務を致します。

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